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兵庫県啓明学院中学校・女学院高校
「私たちにできること」 What We Can Do ・・・


国連防災世界会議 パブリックフォーラム
1月18日「復興への思いが世界を包む  
         
絵画展・写真展とテレビ会議」で中間発表
 

1995年1月17日、阪神淡路大震災が起き、6,433人もの命が失われました。当時高校1年生だった私たちの先輩も、その中の一人でした。先輩や犠牲になられた方の命を忘れないように、と始まったのが私たちのグループです。ですから、私たちの目標は、震災を経験していない人たちや、忘れかけている人たちに、日頃から震災に関心を持ってもらい、備えをしてもらうことです。

2003年12月にイランで地震が起きたときは、街頭募金や年賀はがきのリサイクルなどをして、JEARNや他の団体を通じて寄付をさせてもらいました。多数の犠牲に心が痛みましたが、バムの子供たちが絵を描いているかわいい姿を見て、少し安心しました。  

プロジェクトの中間発表 
プレゼン資料

私たちのグループには中学2年生から高校3年生までいますが、主なメンバーは中学2年生と3年生で、阪神淡路大震災の時は4歳か5歳でしたから、記憶がはっきりしていませんでした。また、メンバーの中にも被害の大きかった人と、全く被害の無かった人がいて、いろいろな違いがありました。

まず、インターネットなどで阪神淡路大震災について調べなおした後、神戸市にある「人と防災未来センター」(http://www.dri.ne.jp/)へ行きました。そこでは、地震のメカニズムや地震後の心のケアについてなど、たくさん学ぶことがありました。また、長岡照子さんという、語り部の方のお話を聞かせていただき、助け合いや命の大切さを深く心に刻みました。

秋には、文化祭で「阪神大震災追悼ろうそくの再生」をしました。毎年1月16日の夜から一晩中、兵庫県伊丹市で犠牲者の数だけろうそくを灯し続けるのですが、溶けたろうを再利用して、新しいろうそくに作り変えていく作業です。グランドの砂が混じったりして色は茶色いし、手作りなので形もきれいではありませんが、たくさんの人々の祈りが込められ、それを受け継いでいく、とても大切な行事だと思いました。文化祭では多くの生徒や来校者が参加してくださり、震災のことに興味を持ってもらえたと思います。ちょうど、兵庫県の川西・宝塚良元高校から「防災桜ベアー」が本校に来ていましたので、一緒に手伝ってもらい、楽しかったです。

そして10月23日、新潟で大震災が起きました。本校では高校生が募金活動をしていたので、中学生はアイアーンを通じて、新潟へ励ましのメッセージを送りました。世界中からもメッセージが届いているのを見て、インターネットを通して、人々の優しさと連帯感を感じました。

 その後、新潟の大震災と阪神大震災を比べてみて、同じような規模の震災でも、起きる場所によって、被害やその後の状況、必要とされる救援の形がずいぶん違うことを知りました。たとえば、神戸では震災に続く火災がひどかったのですが、新潟では土砂崩れや水害がありました。

防災というのは、ところ変われば違う備えや対応が必要だと思いました。神戸では、仮設住宅に入ってからの孤独死が問題になりましたが、新潟ではその経験を活かし、同じ村の人が固まって暮らせるようにするなど、工夫が見られます。

 12月26日、前年のイラン地震と同じ日に、インド洋で大きな地震が発生し、津波による死者は日を追って増え続け、信じられないような大きな被害が出ています。何とかして、被害を軽くする方法は無かったのだろうかと悔しく思います。今回、スリランカでは野生動物の被害がほとんど無かったことを聞き、地震予知に、人間には無い動物の力を利用できないか、と考え始めているところです。

 今までの学習で、防災には、日頃からの人と人とのつながりが大切だと分かりました。人だけではなく、地上に住む全ての生き物が協力して、自然災害と闘っていく方法を見つけたいと思っています。プロジェクト参加校の皆さんとも交流を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

                                                斉藤 利枝

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