そのような中、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から10年を機に、「大震災の教訓を未来へ、
命の尊さを考えよう!」をテーマとして、「防災世界子ども会議(NDYS)」が誕生しました。
自然災害に国境はなし。「Think
Globally, Act Locally」。減災社会づくりを目指して、地球規模で考え、地域社会で活動する人材を育成することを目的とする防災教育プロジェクトです。インターネットをはじめとするICTを活用して、世界の学校・子どもたちが、オンラインによる交流や協働学習によるコミュニケーションをとり、世界のさまざまな自然災害の教訓を共有し、防災について学び合い、語り継ぐことによって、次に起こる自然災害から国境を越えて、互いの命を守るにはどうすればいいのかを議論する「会議」を目指しています。
2005年に兵庫県で開催されて以来、2006年には台湾、2007年には5月3日から5日まで、東海地震や広域津波の切迫性が叫ばれている愛知県で「会議」を開催するに至りました。
会議に先立ち、NDYS2007プロジェクトでは、2006年9月より、環境と防災の視点から「減災社会づくりに
私たちができること」を基本コンセプトとして、防災の縮図である地域の「災害安全マップ」づくりに取り組みました。子どもたちは、マップづくりの過程で、海外の生活や考え方、そこから災害の教訓や防災の知識をテレビ会議や掲示板を通して学んできました。
会議には、ロシア、イラン、インドネシア、ネパール、トルコ、スロバキア、アメリカ、台湾の8カ国・地域から67名参加。全体では約350名が参加。子ども達は、それぞれの国で発生する災害の教訓と防災への取り組みを発表し、国際的な視野で防災意識を共有しながら、被害を最小限にするには何をすればいいのかを発表しました。台湾の発表は、「自然との調和を考えて生きていく方法を学ぶ必要がある」。またスロバキアの発表は、「社会の一人として生活していく上で、環境やコミュニティなど社会に関わるものを、防災の視点から生涯学んでいきたい」と語りました。そのまとめとして5月5日、「Be
prepared, share the awareness and knowledge, and most
importantly support each other!
」という宣言文を採択しました。
この会議を通して、世界の人々と共に学びあうために、ICTがコミュニケーションをとるのに大きな役割を果たしていること。またNDYSプロジェクトの学びから、世界の人々との連帯感を基盤とした確かな国際協力が深まっていることを実感しました。
私たちは、「防災世界子ども会議2007inあいち」で育んだ連帯感を素地として、災害安全マップづくりを通して、防災教育ネットワークを充実・拡大させて、世界に情報を発信し、減災社会づくりに役立ちたいと思っています。
最後になりましたが、ご協力ご尽力くださったすべての皆様に対しまして、心より感謝申し上げます。
平成19年6月18日