|
宣言発表会での総評 |
|
|
ここ、県立淡路夢舞台淡路国際会議場での「防災世界子ども会議2005inひょうご」に参加できることを嬉しく思います。
私は1月18日の会議にも参加しました。そこでは、イラン、バムとアルメニア、エレバンの生徒のテレビ会議が行われました。今、アルゼンチン、アルメニア、セネガル、スロバキア、ロシア、インドネシア、イラン、ネパールなど日本だけでなく、多くの国の生徒が参加しています。
この国際会議には3つの重要な役目がありました。 |
京都大学大学院 地球環境学堂 助教授
ラジブ・ショウ博士 |
1.生徒同士が直接交流できるので、文化交流が促進できた
2.友好関係とネットワークが拡張され、将来のプロジェクトのベースとなった
3.学習のためでなく、防災の基盤を提供した
予防防災(被害抑止、被害軽減)は、防災文化の一部であるべきであるとしばしば言われます。効果的な国際交流をするために、文化交流は重要な役割を果たします。そしてNDYSは正確にこれに焦点を当てています。他の問題としては、予防防災は、楽しみ、喜び、娯楽、ゲームとともに取り組まれるべきであるということが挙げられます。取り組みは、日常生活において繰り返し行われるべきであり、これが安全文化の形成につながります。
会議の中心は、子どもであり、子どもたちは、積極的に異なるプロジェクト、活動に参加し、異なる新しいアイデア、新機軸、方向性を出してきました。全員参加は、生徒の物事の考え方には非常に重要なものであり、子どもたちは、防災の問題をみるだけでなく、解決方法、原因を見つけようとします。このように、防災教育の4つの段階(聞く、見る、話す、行動する)の中で、NDYSは、生徒が予防防災活動としての対策をする、“行動する”というところを重視しました。
NDYSに参加して、すべての生徒が防災の専門家になるわけではありません。しかし、学生時に災害のリスクを知り、災害に関する問題を解決することは、防災意識を喚起し、学生が個人レベルで行動を起こすことにつながります。そして、これがすべてのプロセスの中で最も大きな成果となるでしょう。
最後に、教師とJEARNを初めとする主催者の大きな熱意により、NDYS
2005が活発なものとなり、今後、長期間にわたり持続したものになるでしょう。私はその熱意と行動はすばらしいものであり、将来の活動を楽しみにしています。
2005/03/28 兵庫県立淡路夢舞台国際会議場にて
成果と今後の展望
防災世界子ども会議プロジェクト実行委員会
|
1. |
世界の災害、防災教育の現状を子どもたちが共有することにより、防災意識が高まった
|
|
|
|
復興への思いをこめたインドネシア、アチェの子どもたちの発表などにより、災害前に対策を施す(予防防災)という意識が欠如しているのが現実であり、これが大きな防災の問題であることがわかった。防災教育を通して予防防災促進のためのネットワークを構築する目的が明確になった。
またプロジェクト開始後、子どもたちは、自主的に情報を集めるようになり、クラスメートや家族に災害について教えるなど、災害を自分のこととしてとらえ、災害に対する意識が大きく変化した。 |
|
|
2. |
防災教育ネットワークの基礎を構築できた |
|
|
|
7ヶ月という長期にわたり、インターネットなどのICTを活用したコラボレーションを通して、生徒のみならず、世界の先生方とも、防災教育のネットワークと呼べる基礎を構築できた。海外への参加校のテレビ会議などのICT支援を通して、情報通信ネットワークのシステムの構築に成功し、世界の先生方との協力体制ができた。
NDYSプロジェクトでは、「防災世界子ども会議2005inひょうご」を、出発点として、継続して、生まれたばかりの防災教育ネットワークを充実・拡大させて、世界に情報を発信し、子どもたちの手による「より安全、安心な世界作り」に向けた取り組みを行っていく。 |
|
|
3. |
地球市民としての意識を、子どもたちがもつようになった |
|
|
|
プロジェクトを通して、世界の国々の習慣や伝統を知ることができ、たくさんの友達ができた。このような異文化交流学習を通して、子どもたちは深い絆で結ばれ、地球市民の一員であるという意識をもつようになるなど、新しい世界観を持つようになった。 |
|
|
4. |
子どもたちのコミュニケーション能力、コラボレーション能力が向上した |
|
|
|
国際会議での出会い、テレビ会議やフォーラムでのディスカッションを通して、多くの情報と経験を得て、子どもたちのコミュニケーション能力、コラボレーション能力が飛躍的に向上した。 |
|
|
5. |
コミュニティに対する行動に変化がおきた |
|
|
|
子どもたちは、コミュニティへの意識を高め、リーダーになり、コミュニティに対して災害対策を教えようと思うようになった。
|
|
2005年6月1日 国際会議報告書より抜粋
back
|