防災世界子ども会議(NDYS)

防災世界子ども会議(NDYS)

NDYS -オンライン防災教育-

        

        

2005    2006    2007   2008    2009   →   2010 

 

 TOPページ   >  NDYS2006        防災世界子ども会議2006 in台湾 総括 

   

 200617日、台湾で行われた防災世界子ども会議2006(以下、NDYS)に参加させて頂たけたことをうれしく思い、また心より感謝致します。

 NDYSは、防災をトッピックにした、ICTを活用した国際協働学習です。言い換えれば、NDYSは、防災教育、情報教育、国際協働学習の3つの役割を果たしています。

 世界では、様々な自然災害が多発しています。そのような中、これまでの応急対応を重視した防災から予防防災が重要視されてきています。日本の防災教育においても、避難訓練や防災訓練といった災害後の対応に焦点を当てた防災教育が行われた歴史があります。

京都大学大学院地球環境学舎 
博士課程  塩飽 孝一

 NDYSでは、学校ごとに先生と生徒がディスカッションを重ね、学校や地域の安全マップを作成し、安全な社会をつくるための対策を考えました。災害前に何ができるのか?一人一人がこれを考えることが、防災では重要になります。今回、NDYSに参加した生徒や先生は、防災意識が喚起され、予防防災の重要性を認識したと思います。NDYS2006は、効果的なものとなりました。今回、台湾で発表されたプレゼンテーションや安全マップを見て、特筆すべき成果が出されたと思います。それは、環境との関係、そして、コミュニティの重要性です。防災と環境は密接な関係にありながらも、防災教育、環境教育と個別に教育が行われている現状があります。しかし、参加した生徒、先生がそれに気付いたことは、今後の教育に新たな方向性を示したものになりました。また、ハード面が重視されがちな防災に、ソフト面の重要性に気付いたことも成果です。コミュニティの重要性は、防災に関わらず、社会の一人として生活していく上で考えなければならない問題です。環境やコミュニティなど社会に関わるものを防災の観点から、学んでいくことができる場がNDYSであり続けてほしいと思います。

 国際協働学習は、地球人として異文化や異文化をもつ人々を受け入れ共生する能力と自らが自己の文化を異文化の人々に理解させるための自己の確立、そして互いの協力により、より普遍的な文化を築くことがこの学習の役割だと思います。他国の災害について学ぶことは重要なことですが、まず自分の国の災害について学んでほしいと思います。そこで初めて、他国との違いを理解し、そして、他国の人に自国のことを理解させることにより、「国際協働学習」ができるのではないでしょうか。

 NDYSは、一日だけのイベントではありません。数ヶ月もの間、学校が関わっています。その中で、世界の人々と共に学び、コミユニケーションをとるためのシステム、ツールと場の提供が、情報通信技術でしょう。しかし、今回の台湾での発表を見る限り、それまでの他国、他校との情報交換が満足できるものではなかったように感じます。活発な生徒どうしの情報交換が行えるようなシステムや場の提供、基礎的な情報教育が必要なのではないでしょうか。

 「防災をトッピックにした」、「ICTを活用した」、「国際協働学習」。これを実現することは簡単なことではないと思います。しかしながら、JEARNiEARNに参加されている先生の熱意と行動力で、実現させることができると思います。

                                               2006年2月8日

 

ページの先頭へ

All contents copyright © NDYS office all rights reserved.